ザ・コブラツイスターズライブレポ

天白祭
2002.11.4(月) 名城大学

かつて爆風スランプがライブをやって凄い伝説を残したと言う名城大学「天白祭」に今年はコブが出演!実は私は天白祭には過去2回来ている。爆風のライブは見てないが、学祭のメインとも言える複数のバンドが出演するライブイベントも見た事がある。もう数年前のことですっかり忘れていたが、このライブイベントは凄かったのだった。

法事を終え、大学に駆けつけた時にはもうイベントは始まっていた。地元バンドがライブをやっていたのだが、ダイブ&モッシュの嵐。このイベントには「盛り上げ隊」のような学生の団体が控えていて、ライブが始まると一斉にステージに詰め寄り大騒ぎするのだ。数年前はライブにおける「ダイブ&モッシュ」と言う習慣は存在しておらず、大騒ぎと言っても大声を出す程度のものだった。
それが今はこの有様。ダイブ&モッシュを否定するわけではないけど、今目の前で行われているのは明らかに度を越えているのだ。事もあろうに、コブはこのイベントのトリらしい。はてさてどうなることやら。

XYZのライブ終了間際に上着を脱ぎ捨てオレンジコブTに。寒さに震え上がりつつステージのほうを目指す。ファンの大移動が起きてグチャグチャの中、何とかステージ前に到着!しかも諦めていた最前に着くことが出来て自分でもびっくり。アッキーとリーダーの間くらいの位置。見渡せば1〜2列目はコブファンでほぼ埋め尽くされたかな?と言う感じ。
コブスタッフによるセッティングが終わり、イチローさんとリーダーがステージに登場して最終チェック。棗さんはいずこに??やっと出てきたと思ったら、イチローさんのドラムからいきなりライブが始まった。

このドラムのリズムはあの曲!そう、嵐に住む人!!お祭り男スタイルのアッキーがステージ袖から凄い勢いで飛び出してくる!それと同時に激しいモッシュが起こり、前の柵に身体が押し付けられて一瞬息が出来なくなる。いつもの曲に合わせた「跳ね」などする余裕もない。死なないために息が出来るように後ろからのモッシュに抵抗するのに必死。
でも、やっぱりライブは楽しみたい!跳べなかったら声で勝負だ!とばかりに半ばヤケになって周りのコブファン仲間たちといつも以上に大きな掛け声を上げる。

アッキーも客席の異常な様子にすぐ気づき、歌の合間に「落ち着いていこう!」「大丈夫か?」などと声をかけてくれるが、そんなのお構いなしに必要以上に激しいモッシュは続く。一瞬アッキーの顔が険しくなり、1コーラス歌い終わるまでに演奏を止めてしまった。どうやらどこかで将棋倒しが起こってしまったようだ。
今日のイベント、どのバンドでも何度か同じような状態に陥っていたが、演奏を止めたのはコブだけだった。全員が無事立ち上がるまで客席を気遣うアッキー。倒れていた人にも声をかけ無事を確認している。そう!コブはこう言うバンドなんだ!!

そして気を取り直してライブ再開!もう一度最初っから嵐に住む人。相変わらずモッシュは激しい。でも絶対負けるもんか!と言うファンとしての意地みたいなのがメラメラ。今日のイベント、他のバンドのライブも見てきてどんな状況なのか分かっている。最前についた時点で覚悟は出来ている。来るなら来いっ!!
物凄い盛り上がりでガムシャラ人生に突入!!私は柵につかまってなんとか耐えられるけど、すぐ後ろにいるコブ友たちはかなり大変そう。頑張れ!!

MCタイムでやっとホッとひと息。アッキーが暴れる若者達の動きの真似をして

欽ちゃんの仮装大賞みたいな動きはやめてくださいね

仮装大賞の動きではなくて“欽ちゃんのような動き”でいいんじゃないかぁ??アッキーワールド的表現に思わずツボってしまう。

アッキーが客席を気遣いつつ夢の旅人へ。そして遂にダイバー襲撃!!覚悟は出来ていたけどさぁ〜コブライブで、しかもよりにもよって「夢旅」でダイブかい!!どう考えてもダイブするような曲ではないやろう!!これで大暴れしている若者達が曲やライブを楽しんでダイブやモッシュをしているのではないのが判明して怒りがこみ上げる。 でも、怒っていたらせっかくのライブが台無しになってしまうのでライブが終わるまで忘れることにする。
そしていつかの少年。さすがにこの曲ではダイブをする輩も現れずホッとするが、いつ来るか?と後方が気になってどうにもライブに集中出来ない。

続けてロックンロール天白祭。激しい曲が来たぞぉ!!案の定やってきたダイバーが隣にいた相方を直撃したのでどさくさに紛れて横っ腹に両手で2連発 パンチを見舞ってやった。かなり気持ちよかったけど、その行為自体も暴れて鬱憤を晴らしている若者達と同じなんじゃないか?という思いが頭をよぎり、大人気なかったかな〜と、ちょっと凹みモード。

こんなにたくさんの人の前で歌うのは凄く嬉しいとアッキー。この曲での楽しみ「みんなでジャンプ!」これも出来る状態ではない。でも無理やりジャンプになってないジャンプをして後は狂ったように踊りまくる。

そのままさらに運命船サラバ号出発へ。ここまでくるともうどうにでもなれぃ!って気持ちになる。いつの間にか中央の2列目あたりまで成り上がってきたらしい背の高い兄ちゃんが大暴れ。近くにいた女の子が押されて泣きそうな顔をしている。こんの野郎ォ!!と思ったけど、運命なんて言うな〜ハイ!ハイ!をやるコブファン達をマネして一緒に「ハイ!ハイ!」をやっていてちょっと嬉しくなる。

間髪入れずそのままゼロからの始まり。押され続けて苦しいのだけど、凄い盛り上がりなのは確か。少し離れた余裕のあるところで見て楽しんだほうが良かったのだろうか??と言う気持ちにもなるが、今更どうしようもない。そしてシメは嵐に住む人。恒例の掛け合いは天白祭のテーマ「自由で自主的」。言いにくい!!そして最後は「わっしょいわっしょい」の掛け合いで盛り上がりライブは終了。

ステージを去ろうとするメンバーに間髪入れず、耳が痛くなるくらいのアンコールの声。それに対して「今日はアンコールは出来ない事になっている」とリーダーが申し訳なさそうに話す。残念。もし、客席がこんな状態でなければアンコールはあったのだろうか?これ以上混乱をさせないための対策だったのだろうか。

はっきり言って今日はほとんどライブに集中できなかった。考えすぎなのかもしれないけど、メンバーも客席を気遣いつつのライブだったように思えて仕方がなかった。ライブは物凄く盛り上がったけど、いつものコブではなかったような気がする。それは自分がいつものように心の底から楽しめなかったからか?まだまだ私には修行が足りないのか。学生が主役の祭りとは言え、あれは酷すぎやしないか?身体のあちこちが痛んで、いろんな思いが巡り精神的なものもあってかどっと疲れに襲われる。

でも、爆風ファン時代から付き合いのある、XYZを見に来ていた双子の友人達がコブの事を凄く気に入ってくれたそうだ。カツゼツのいいアッキーの喋り方に惚れたらしい。またライブを見たいとまで言ってくれた。あんな状況のライブだったけど、分かる人にはちゃんと伝わっているんだ!もう嬉しくて気分が上昇!!

さらに、コブ御一行様の見送りの際、アッキーが私達に「大変だったね」と声をかけてくれた。そのひと言で、今日のライブで発生したみんなの心の中のモヤモヤしたものがパァ〜と晴れやかになったのだ。救われた。涙が出そうになった。

その後、何人かのコブ友から話を聞いたところ、あの会場の大勢の人がコブライブを楽しんでいた事が判明。曲など関係なしで暴れていたのはほんのごく一部の人間だけだったのだ。
いろいろ深く思い考えてしまったけど、コブに対する想いがこれまでにも増して大きくなったライブだった。



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